補助の対象となる条件は?
断熱性能を高める窓のリフォームが対象となる「先進的窓リノベ事業」。事務局に登録された施工会社(「窓リノベ事業者」)が、交付申請の手続きを行い、補助金の交付を受け、交付された補助金を物件の所有者らに還元する仕組みとなっている。
補助の対象となるのは、住宅を所有する個人とその家族、所有する住宅を賃している個人や法人、賃借人、集合住宅の管理組合など。補助対象の住宅は、リフォーム工事の工事請負契約日時点で建築から1年が経過した住宅、過去もしくは現在人が居住する住宅をいい、戸建住宅、集合住宅のいずれも対象だ。
対象となる工事は、既存のガラスのみを複層ガラスなどに交換する「ガラス交換」、内側から新たな窓を設置する「内窓設置」のほか、外窓を取り外して交換する「外窓交換」(カバー工法、はつり工法)。
また、補助金の対象となる期間は、工事請負契約日が2022年11月8日から遅くとも2023年12月31日までで、着工日は窓リノベ事業者における登録申請日以降となる。
交付申請期間は、2023年3月31日から予算上限に達するまでの、遅くとも2023年12月31日までだ。1000億円の予算が消化され次第、期限を待たずに制度が終了する可能性がある。
注文殺到、納期に遅れも
しかし、この制度を利用しようと窓のリフォームに注文が殺到。報道によれば「YKK AP」などの建材メーカーの納期に遅れが出ており、着工が補助金の手続きに間に合うか不安の声が上がっている。
建材メーカーの「LIXIL」も、今年4月の内窓タイプの受注が前年同月比約7倍、交換タイプは約3倍になったという。工場を通常の3倍以上で稼働させているものの、納期は1〜2カ月遅れだいう。
すでに予算に対する申請割合は30%を超えている(6月下旬時点)ようで、申請は施工業者の着工後に手続きするため、商品の納期によっては着工が遅れて補助金が受けられない可能性もある点が懸念されている。